しずかちゃんはアウト? 旧統一教会の性教育
──一般的な旧統一教会についての理解ですと、性教育に対しては消極的だという認識があるんですが、ここについてはどうでしたか?
黒沼 そうですね。性教育については、そもそも性の香りがするものを排除するようなかたちで育てられていて。テレビだったり、漫画だったりアニメだったりとか、流行ってるものを見たいんですけれども、ちょっとでも性表現があったりとかするとダメですよと検閲を受けました。
── 性の香りがするものはアウト。そこには教義に加え、家庭ごとの判断もいろいろありそうですが、黒沼さんの場合は、どういうところからアウトとされていたんですか?
黒沼 やっぱりどんな作品でも恋愛要素って出てくるので、キスぐらいはいいけど、ベッドシーンが絡むともうダメだよ、みたいなところが多かったですね。
── 映画とか見てると、ベッドシーンはざらに入ってきますよね。
黒沼 ありますね。消されることもありましたし、ギリギリ許されたのが、『水戸黄門』の由美かおるさん。あれは許されました。
── 入浴シーンや悪代官への色仕掛けはセーフだった。
エイト 『ドラえもん』のしずかちゃんはどうでしょうか?
黒沼 しずかちゃんは大丈夫でした。
── エイトさん、家庭によっても違うんですか?
エイト どうですかね。基本的に性の香りがするのは一切NG、と聞くことが多いですね。また、恋愛感情を抱いたときには、かなり強烈に制限をされる、と。
── そのほかのタブーはありましたか?
黒沼 暴力的なものは検閲されていて、学校で流行っていたようなアニメや漫画、ゲームが禁止されていたので、話にはついていけなかったです。
── なるほど。また、性的マイノリティの人権などはどうでしたか?
黒沼 性的マイノリティに関しては、やっぱり両親ともにあまりいいことは言っていなかったですね。同性愛についてもタブーでした。もし旧統一教会2世の方でそういった方がいたら、どう生きていけばいいんだろう、っていまでも思いますね。
── 性的マイノリティ当事者ですと、「自分は禁じられた生き方をしてるんだ」と、抑圧されてしまうことになりそうです。