文春オンライン

「これ誰?」「真のお父様だよ」厳しい性教育、合同結婚式…当事者が語る“旧統一教会2世の子ども時代”

『宗教2世』より#1

2022/12/12

 安倍元首相銃撃事件の容疑者の背景をきっかけに注目を集めるようになった「宗教2世」問題。親の信仰に影響を受けて育った苦しみとは、どのようなものだろうか――。

 TBSラジオ「荻上チキ・Session」パーソナリティであり、一般社団法人「社会調査支援機構チキラボ」代表の荻上チキさんは、自身のラジオ番組の特集「シリーズ・宗教2世」に大幅な増補を加え、さらに1131人の「宗教2世」当事者の声を集めてまとめた本『宗教2世』(太田出版)を11月25日に上梓した。

 ここでは本書より、荻上さんがジャーナリストの鈴木エイトさんとともに、旧統一教会2世の黒沼クロヲさんに話を聞いたラジオ放送の内容の一部を抜粋して紹介する。(全2回の1回目/2回目に続く

◆◆◆

自民党による「点検」は無意味?

──鈴木エイトさんは、宗教と政治や宗教2世問題などをテーマに取材、共著に『徹底検証 日本の右傾化』(筑摩書房)、単著では『自民党の統一教会汚染 追跡3000日』(小学館)があります。

 まずは直近の動きについて、いくつか伺います。2022年9月、自民党が旧統一教会と政治との関係について、「点検」して公表すると言っています。エイトさんはどうお感じになってますか。

エイト 僕は繰り返し言ってるんですけど、まったく無意味だと思っています。点検項目の8分類には、祝電や関連媒体への記事掲載といった軽度のものから、教団本体及び関連団体の会合への出席、挨拶、会費の支出、寄付収入と、接点の濃い順に並んでいる。

 しかし、最も関係性が重い項目でも、選挙におけるボランティア支援、選挙支援の依頼組織的支援、動員の受け入れといった程度のものしかなく、この8項目以上のもの、つまり秘書の受け入れや教団への便宜供与といった「より関係性の濃い項目」がない。

 しかも前提として、自民党の組織的な関与がないという前提で出されている「点検」なので、新たなものは何も出てこないだろうし、本当に調べる気があるのかというのは疑問ですよね。

── 結論ありきではないか、ということですか?

エイト 安易に幕引きを図ろうとしている。過去のいろんな、もっと濃度の濃い政治家、引退した政治家、亡くなった政治家、そういうところまでは踏み込もうとしていないものだと思います。

── 自民党史における、過去の関わりを含めて点検するようなものではないですよね。

エイト そうですね。現役の政治家、いま現在所属している政治家だけを調べても、あまり意味がないですよね。

数億円単位の被害も…旧統一教会の霊感商法

── 改めてですが、旧統一教会の霊感商法と呼ばれるものは、どういったものだったんでしょうか?