エイト かなり高額なもの、印鑑、つぼであったりとか、多宝塔といわれるものとか、絵画とかですね、あらゆる高額なものを購入させる。信者に対して先祖の因縁などを説いて、当時は消費者契約として土地・家屋などを担保にして購入させていました。数億円単位で被害も出ています。
── かつてはつぼとか印鑑とか具体的な物でしたが、最近ですと、どういった理由付けで献金につなげるんでしょうか?
エイト 具体的に商品を介在させないかたちで、1000万献金したらこの経典を授けますとか、購入ではなくノベルティ的な扱いをしてきました。そういうのを全部含めて、1987年から昨年までのあいだで、1237億円。これは氷山の一角です。実際はこの10倍あるといわれています。
── それだけの経済的被害が生まれるとなれば、各家庭の家計にも大きく影響してくるでしょう。
エイト そうですね。当然、家計が逼迫する程度では済まなくて、家庭が崩壊してしまうような事例も多いですね。
── 今回は、旧統一教会の2世の話をメインに伺います。旧統一教会あるいは、そのほかの宗教団体・カルト団体では、2世はさまざまなことを体験します。宗教活動、経済的奉仕、教義によっては体罰や恋愛禁止まで。エイトさん、2世の問題では、どういった点に注目されていますか?
エイト 宗教に限らないんですけれども、かなり極端な思考を持った親や団体のもとで育つことで、子どもの人権が侵害されている。そのうちのひとつが、金銭被害であったり、子どもの自由な意思決定が侵害されるであったりであったり、信仰の自由がないということであったりなんですね。あらゆる面で人権侵害を受けてきた存在が、2世だと思っています。
── 「信仰の自由」があるというところは注目されがちですが、子どもには「信仰からの自由」もあるということが、おろそかにされがちですね。
エイト そうですね。信仰をしない自由が侵害されてきた。無理やり持たされた信仰から抜ける自由もない。自由な意思決定が、常に侵害され続けてきた存在だと思います。
旧統一教会2世、両親は「合同結婚式」で…
──きょうはスタジオにも、旧統一教会の2世の方にお越しいただいております。黒沼クロヲさんです。
黒沼 よろしくお願いします。
──黒沼さんはいまはどういった生活をされているのか、言える範囲で教えてください。
黒沼 私はバンドなどの音楽の活動をしていまして、フリーでビデオカメラマンの仕事をしながら生活しております。
── 旧統一教会の2世ということですけれども、1世にあたる親との関係性はどうなっていらっしゃいますか?
黒沼 少し険悪だった時期もあるんですけど、いまはすでに親は脱会しております。ただ、旧統一教会の話がちょっとタブーというか、触れづらい状態で。関係性としては、そこまでは悪くはないですけれども。
── 親御さんも、いまは脱会されてるんですね。さかのぼって伺いたいのですが、黒沼さんは、いわゆる「祝福二世」、生まれたときから2世だったんですか?
黒沼 はい。生まれたときから祝福二世と言われて育ってきました。
── ご両親は、合同結婚式で結婚されたんですか?
黒沼 ソウルの合同結婚式で結婚したと聞いていますね。各国からの信者が集まっていたそうですが、日本人は結構な割合でいたそうです。