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「あなた(筆者)の名前もありましたよ。『探究心のある方で、おもしろい話をすれば興味津々に聞いてくれる。ただ、可愛い子に弱い』と(笑)」

 なんとも気恥ずかしい話だ。が、生前の彼女の笑顔が浮かぶ。他に、宮本被告の名前や、第1発見者となった年配男性のことも書いてあったという。

営業していた頃の「ごまちゃん」の内装

「宮本被告に対しては『カラオケの時にマイクの音量を下げる』とだけありました。ずっとお世話になっていた第1発見者の男性については『余生を一緒に楽しむ』と」

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 店で私は宮本被告と何度も顔を合わせているが、印象に残っているのはアニメソングを大音量の裏声で歌い続ける姿だ。おそらく稲田さんは、他の客の迷惑にならないようそっと音量を下げていたのだろう。

「そこが疑問なんです……」

 裁判では、宮本被告が真優子さんに送っていた膨大なLINE連絡が検察側の証拠として提出された。

 とりわけ3月1日から2日にかけては、仕事中で電話に出られない稲田さんに対し何度も通話を試み、稲田さんが「電話連絡は控えて、LINEメッセージで連絡をください!」とメッセージを送っても「出ないから何回もかけてしまう。これも、まゆさんに問題があるんじゃないの?」という“逆ギレ”に近いメッセージを送り続けていた。

12回連続の「不在着信」 遺族提供

 その2日後、由美子さんは真優子さんと母娘2人で食事をしている。

「私の誕生日祝いで、まゆっちがホテルのビュッフェランチに誘ってくれたんです。悩んでいるような素振りは見せず、明るい雰囲気でした。もし一言でも相談してくれたら何かしらの助け船を出すことができたかもしれない。私自身もどうして彼女の悩みに気付いてやれなかったのか……」

 たしかに、なぜ真優子さんは宮本被告からのストーカーに近い行為を、警察に相談しようとしなかったのだろうか。

「そこが疑問なんです……」(由美子さん)

 初公判で検察は、真優子さんが交際していた男性の供述調書を読み上げた。そこには事件の4日前となる昨年6月7日に、宮本被告との食事に応じたうえで「もう店には来ないでいただけますか」と告げていた衝撃の証言が含まれていた。