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 圧倒的な力の差は、前の2チームほどはないが、コスタリカ以上に粘り強く、個々の力、結束力もある。極めていやらしい相手と言える。

「決勝トーナメントに上がってくるチームはどこも強い。ただ、自分たちのやるべきことは、ドイツ戦、スペイン戦と一緒です。まずはゲームの中で、自分たちひとりひとりがやるべきことをハッキリと明確に出来るのか、どれだけ自分たちが臨機応変に対応できるのかっていうのが、クロアチアに勝つために大事な要素になるんじゃないかなと思います」

©JMPA

W杯経験者の川島が感じるこれまでとの“違い”

 スペインに勝利し、グループリーグを首位で通過したことで、チームの雰囲気はすこぶる明るい。過去2大会でグループリーグ突破の経験を持つ川島は、今回の日本代表に、過去2大会と異なるものを感じているのだろうか。

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「正直、チームが違うので雰囲気も違いますし、自分も毎回立場が違うのでそういう意味では一概には言えないですけど……。もちろん、スペイン戦に勝って、いい雰囲気なのは間違いないです。今回のチームはいい意味で自信と謙虚さがあります。そして自信がなければ、ドイツやスペインのような相手を倒すことはできない。

 今の自分たちに何ができるかというのを、自分たち自身が理解して、それができるというのもひとつの力じゃないのかなって思います。それが今のチームの強さであり、これまでのチームと違うところですね」

 南アフリカW杯では、本田圭佑がカメルーン戦で決勝ゴールを挙げるなどエースとして活躍し、ヒーローになった。ロシアW杯では乾貴士や大迫勇也が活躍し、日本がグループリーグを突破する際の象徴的な存在になった。そういう選手がいるチームは強い。

「今回は、点を取っている選手でいえば律(堂安)とか、碧(田中)、拓(浅野拓磨)とかがそうなると思うけど、逆に誰がヒーローになってもおかしくないチームだと思います」

今回のW杯でヒーローになった堂安律 ©JMPA

 川島にとっては、過去2大会でベスト16に終わった悔しさを晴らす戦いになる。とりわけ、ロシア大会は、後半終了間際、ベルギーにカウンターで逆転ゴールを決められ、掴みかけたベスト8の椅子を手放すことになった。泣き崩れる選手がいるなか、川島がピッチに倒れた昌子源らを起こして、ひとりひとりに声をかけていたのが印象的だった。