文春オンライン

2022/12/05

「ベルギーに負けたあの日のことは、一生忘れることはないです。W杯で経験したことは嬉しい思いも悔しい思いも一生心に残り続けます。あの悔しさを今回、自分はしたくないし、他の選手にもしてほしくない。

 ロシア大会に出た選手は、あの悔しさを晴らすチャンスだと思いますし、若い選手からすれば今まで日本サッカーが成し遂げていなかった新しい歴史を創るチャンスになります。両者で次に向かう気持ちは違うと思いますが、若い選手は新しい歴史を創るのだという思いで臨んでいけばいいのかなと思います」

キャプテンの吉田麻也もロシアW杯の悔しさを知るひとり ©JMPA

「そういうのを語るうざったい先輩、いやでしょ(笑)」

 今回、決勝トーナメント進出を決めた東京五輪世代が多い若いチームには、あの時の経験を伝えることも有益になるだろう。しかし川島は、それほど積極的ではない。

ADVERTISEMENT

「だって、そういうのを語るうざったい先輩、いやでしょ(笑)。まだ、4年前の話なので、(ベルギー戦を)見ている選手も多いと思うんですよ。だから自分があれこれ話をするよりも、それぞれが自分たちの記憶の中にあるものと一緒に戦えばいいんじゃないかな。僕もこれまでそうしてきました。

 このチームの中で、ドーハの悲劇を見ているのは僕しかいない。小さいながらその時の記憶を忘れずにサッカーをやってきました。今回、まだ何も成し遂げていないですけど、こうして日本サッカーの歴史に名を刻めていることはすごくうれしいです」

 ドーハの悲劇から29年、同じ地で新しい歴史を創るチャンスを得た川島。その力は今のチームに果たしてあるのだろうか。

「今のチームは強さがあるし、若い選手を含め、自分たちが新しい歴史を創るぞという想いをひとりひとりが持っています。過去にとらわれずに自分たちの力を信じて、目の前の試合に臨みたいですね」

 小さい頃に見た悲劇が歓喜に代わる瞬間を川島は楽しみにしている。

©JMPA
4年前のロシアW杯とは何が違う? ベテラン川島永嗣が明かす森保ジャパン“強さの秘密”「誰がヒーローになってもおかしくない」

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー