なぜ杉田水脈総務政務官は差別発言をしながら「出世」できたのか? 今回はこのことを考えてみます。まず最近の言動をおさらいします。

『杉田水脈氏、「保育所で洗脳教育」投稿を撤回…「不用意な発言だった」』(読売新聞オンライン11月30日)

 その次。

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『杉田水脈氏、同性カップル「生産性がない」など撤回 差別とは認めず』(朝日新聞デジタル12月2日)

《撤回したのは、月刊誌で子どもをつくらない同性カップルは「生産性がない」と評したことと、ブログに書き込んだ「チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさん」との表現。性被害を訴えたジャーナリストの伊藤詩織氏について「落ち度があった」と言及したことや「女性はいくらでもウソをつける」などの他の発言については「精査して対応する」と述べ、撤回しなかった。》

杉田水脈氏 ©時事通信社

 杉田氏は性的少数者らを差別する発言の一部を撤回したが、それらが差別発言かどうかを問われても認めなかった。ほかにも、

《「日本に女性差別というものは存在しない」とした2014年内閣委員会での自身の発言について、「命に関わるひどい女性差別は存在しないという趣旨だ」と説明した。》(毎日新聞12月1日)

なぜ杉田氏は重宝されるのか

 ギョッとします。岸田文雄首相は「過去の発言は政治家本人が自身の責任で丁寧に説明すべき」と言ったが、最近の答弁を見れば杉田氏の発言は「過去」だけでなく「現在」も酷いことがわかる。問われるのは説明責任ではなく、岸田首相の任命責任、これ一点だ。

 杉田氏はインターネット上の誹謗中傷対策も担当する政務官だが、首相は「適材適所」と言った。差別発言をする人を入閣させて期待しているのだ。

 なぜ杉田氏はここまで重宝されるのか?