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明治150年マークを知っていますか?
明治100年と明治150年で、明確に同じ現象がひとつある。それは、シンボルマークの制定だ。
冒頭に掲げた写真には、日章旗の左右に黒丸の紋が見える。これが明治100年のマークである。明治150年のマークは、政府のウェブサイトで確認できる。
明治100年のマークについては、5名のデザイナーから合計32種類の作品を提出してもらい、審査委員会の検討をへて、グラフィック・デザイナーの大橋正の作品が最優秀として選定された。
大橋によれば、このマークは菊の花を単純化・図形化したもので、左右に広がる曲線で明治・大正・昭和、そして未来へと広がる「限りない希望と発展」を表現したのだという。
もっとも、この明治100年のマークはきわめて認知度が低かった。1968年3月末に行われた「明治百年記念に関する世論調査」では、このマークを知っているものはたった5%にすぎなかった。明治150年のマークは大丈夫かと心配になってくる。
突然の「天皇陛下万歳」に「にこやかにおこたえ」になるのだろうか
現在のところ、明治150年の記念式典については開催するかどうかを含めてまだわかっていない。ただ、今後さまざまな情報が氾濫するなかで、天皇の扱いと文化芸術の活用はとくに注目すべきポイントとなるだろう。
今上天皇や皇后は、突然の「天皇陛下万歳」に「にこやかにおこたえ」になるのだろうか。また今日では、どのようなコンテンツが式典の類に使われ、それがどれぐらいのひとびとに認知されるのだろうか。
そこから現代日本人の皇室観や国策イベントにたいする意識の変化も読み取れるはずである。