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2023年の論点

入園料は無料、小型遊具は1回10円…「日本一安い遊園地」を再生させた“現場主義”《年間の利用者数が50万人増》

入園料は無料、小型遊具は1回10円…「日本一安い遊園地」を再生させた“現場主義”《年間の利用者数が50万人増》

2023/01/03

source : ノンフィクション出版

genre : ライフ, 社会, 企業, 働き方

note

子ども以外のことも考えた施策

 園長に就任した年に始めたのは、「るなぱDEないと」。普段は17時に閉園しているのを、夏休み期間中の金曜日限定で21時まで夜間開園し、アルコールも提供しました。若者のグループやカップルに、謎解きイベントや大道芸人のパフォーマンス、ライトアップされたメリーゴーランドなどで遊んでもらいました。そうして、平日にも友達同士で、彼らが親になった時は子どもを連れてまた来てもらうんです。

 他にもハロウィンやダンスイベントもやっています。るなぱあくはもともと、前橋公園の一部なんです。公園だったら子どもだけでなく、若者にも老人にも来てもらいたいし、少子化の昨今、遊園地といえども子どものことだけを考えていたら人は集まりません。

※写真はイメージです ©iStock.com

 企業とのコラボレーションも増えています。ママ友を作ってもらうための親子イベント「るなぽけ」にはコストコさんが協賛してくれました。日清さんとの「日本一安い遊園地で日本一お高いどん兵衛」を販売するイベントでは、群馬県の食材を盛りつけた1杯1000円の「お高いどん兵衛」とミニサイズで1杯10円の「お安いどん兵衛」、どちらも完売しました。

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LINE活用で問い合わせがピタッと止まった

 SNSも利用しています。Facebookもありますが、特定多数に対しての情報配信をしたい。そこでLINEを始めました。利用者(幼児の親世代)の年齢層と相性がいいのだと思いますが、LINEに流す情報の一言一句をよく読んでもらえます。例えばコロナ禍で休園していた時、「いつから開けますか」という問い合わせがひっきりなしに来ていたので、LINEで情報を一本流したら、問い合わせがピタッと止まりました。今は予約システムも併用していて、翌月の予約受付開始の情報を流した途端に反応がある。ビジネスツールとして外せませんね。

 今力を入れているのは、アプリです。るなぱあくのアプリには、地域情報を登録できるように準備を進めています。飲食店や、将来的には駐車場の情報も搭載したい。アプリさえ見ればこの辺りのことは全部わかる便利な存在を目指しています。

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