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2023年の論点

入園料は無料、小型遊具は1回10円…「日本一安い遊園地」を再生させた“現場主義”《年間の利用者数が50万人増》

入園料は無料、小型遊具は1回10円…「日本一安い遊園地」を再生させた“現場主義”《年間の利用者数が50万人増》

2023/01/03

source : ノンフィクション出版

genre : ライフ, 社会, 企業, 働き方

note

 今は県内外から利用者が来ています。地元の前橋市や人口が多い高崎市だけでなく、伊勢崎市、渋川市からも来ています。この2つにはそれぞれ遊園地があるのですが、未就学児中心のうちとはターゲットが異なるため、提携してお互いにリーフレットを置いています。小学生になると千葉県のディズニーランドに行ってしまう人たちに、群馬県内でも遊んでもらいたいのです。県外だと、関越道を通って来られる埼玉からが一番多く、次に東京。最近だと長野も増えています。圏央道も繋がったので、神奈川からも増えました。日帰り、小旅行感覚で車で来る方が多いですね。

るなぱあくを地域のハブに

 私は、るなぱあくを地域のハブにしたいと考えています。周辺の飲食店などとコラボして、いかに前橋、さらには県内を周遊してもらうか。るなぱあくの中にキッチンカーなども誘致していますが、客の囲い込みをするのではなく、るなぱあくを目当てに前橋に来た人に、ついでに街の中を回ってもらい、人を呼び込みたい。たとえ民間企業、個人事業だったとしても、自分だけが儲けられればいい、という考え方を改めないと結局は街全体が沈んでしまいますし、協力することによって地域の活性化は簡単にできると思います。

 私はコンサルタントなので、地元の農業事業にも力を入れているのですが、将来的にはるなぱあくの中で朝採りの野菜市場もやりたい。すでに一度実験的に行い、売れ行き好調でした。ここは遊園地というより公園だと捉えています。だから市場もあるし、ママ友イベントもある。ついでに遊園地で遊んでいこう、そんなイメージです。

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◆このコラムは、政治、経済からスポーツや芸能まで、世の中の事象を幅広く網羅した『文藝春秋オピニオン 2023年の論点100』に掲載されています。

入園料は無料、小型遊具は1回10円…「日本一安い遊園地」を再生させた“現場主義”《年間の利用者数が50万人増》

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