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 髪の毛はウェーブがあっても、長い毛の方が真っ直ぐに落ちやすくなります。これは毛先が“重り”の役割をして、ウェーブを引っ張っているからです。

 しかしセニングで切ると、髪の毛には「短い毛」がたくさん作られ、短くなった毛には長さの“重り”が無くなり、ウェーブが出やすくなります。つまりセニングを使うと、「モケモケの毛」が増えて、結果的にバサバサに見えてしまうのです。

 

セニング最大のデメリット

 さらに、美容師が気にするセニングのデメリットとして、「セニングを使うことによって髪が膨らむ」があげられます。膨らむ髪を減らそうとしてセニングを入れると、もっと膨らんでしまうのです。

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「毛量を減らすのに膨らむって、どういうこと?」と思うかもしれませんが、これには理由があります。

 まず、髪が膨らむことに悩む方の多くは、ウェーブ毛であることがほとんどです。これは、髪はウェーブの重なりによって厚みが出て膨らむからです。

 また、先述の通り、髪は短い方がウェーブの影響を受けやすくなります。長いほど毛先が“重り”のように髪を引っ張るので、ウェーブが伸び、ボリュームも小さく収まります。

 

 美容師にとっては、膨らむ髪質の人ほど、安易にセニングで“すく”ことができません。当たり前ですが、髪の毛は重力によって上から下に落ちています。図はセニングで切った断面を縦にして、下に落ちている状態を表しています。