2022年8月、石川県加賀市で、母親の顔を拳で殴るなどした上、その傍らに包丁を置いて母親に自殺させたとして、自殺教唆の疑いで男が逮捕された。裁判で明らかとなった事件の動機、それは「おふくろの味」だった。いったい、何が男を犯行に及ばせたのだろうか?
なぜ男は母親を自殺に追い込んでしまったのか?
被告の男:
母親が作ったカレーを食べることを楽しみにしていたが、裏の何の関係もない隣人のおじいさんにおすそ分けしていたことに激高してしまった。
法廷でこのように話した、54歳の被告。いったい、あの日、あの時、何があったのだろうか?法廷で事件の詳細が明らかになった。
法廷で事件の詳細が明らかに…
事件は今年8月、石川県加賀市で発生した。
被告の男は、石川県加賀市塩屋町の住宅で当時78歳の母親の顔を殴るなどの暴行を加え、「はよ死ねや」と、その傍らに包丁を置き自殺に追い込んだとして自殺教唆と暴行の罪に問われている。
11月25日に金沢地方裁判所で開かれた初公判。そこで明らかにされた事件の動機は、「母親のカレー」だった。
冒頭陳述などによると、母親と二人暮らしだった被告の男は、長距離トラックの運転手として勤務していた。このため、家に帰るのは週に1回程度。その度、母親に「ステーキ肉」や「すき焼き肉」、「季節のフルーツ」などを買っていたと言う。
被告の楽しみは「酒」飲み方に問題が…
そんな、被告の楽しみは酒を飲むこと。しかしその酒の飲み方に問題があった。
2022年8月12日。翌日からお盆休みに入る予定だった男は、500ミリリットルの缶ビール12本と、アルコール度数が25度の900ミリリットル入りの芋焼酎、そして母親にステーキ肉を買って帰宅。
この日、夕食に食べたのは母親が作ってくれた手作りのカレーだった。
食事を終えると、男は部屋で缶ビールを1本、入浴中に1本、そして風呂上がりにもう1本飲み就寝したという。それから3日間は、母親と一緒に父親の墓参りに行ったり、家で酒を飲んだりして過ごしたという。