事件当時、酒に酔っていた男。酒を飲むと人が変わったように怒りっぽくなり、理性を失ってしまうと言う。しかし、これまで母親に対して暴力を振るったことはなく、今回の件について…
被告の男:
本気で怒っとるんやぞというのを分かってもらいたい部分があった。強く母親の死を思ったことはない。
さらに…こう続けた
被告の男:
いなくなってほしいと思ったことはなく、ずっと一緒にいたかった。本当に自殺させるつもりはなかった。
検察は被告の犯行は母親に自殺を決意させる具体的なもので、暴行についても悪質で厳しい非難に値するとして懲役3年を求刑した。
弁護側は、「はよ死ねや」の一言で執拗に自殺を迫ったわけではなく、被告の暴力や暴言が酒に酔った突発的なもので、深く反省しているとして、執行猶予付きの判決を求めた。
男は最後、法廷で次のように語った。
被告の男:
母親が亡くなったことへの寂しさと、自分がやってしまったことへの怖さを感じた。もう二度と酒は飲まない。
判決公判…裁判所の判断は
12月5日に開かれた判決公判
金沢地裁の裁判官は…
裁判官:
犯行動機はあまりにも幼稚、かつ自己中心的だ。一方、被告も事実を認め反省の態度と更生の意欲を示している
このように述べ、懲役3年、執行猶予5年、保護観察付きとする判決を言い渡した。
裁判官の言葉に何度もうなずいていた男。最後に裁判官が「二度と犯罪をしないでください」と述べると、「はい」と誓っていた。
母親が作ったカレーへの執着と酒癖の悪さが引き起こした今回の事件。酒を断ち、人生をやり直すことになっても、そこには母親の姿も母親のカレーもない。
(石川テレビ)