「やっぱり“持ってる”よねと、みんな言っています」
W杯の全試合無料中継を行ったABEMA。運営するサイバーエージェント(以下サイバー)の関係者がそう漏らすのは、藤田晋社長(49)のことである。
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スペイン戦後に株価が高騰 時価総額は約400億円増加
スペイン戦が行われた12月2日、ABEMAは過去最高の視聴者数、1700万人を記録した。
「本田圭佑の解説も評判となり、試合を追うごとに視聴者数は増えています」(スポーツ紙記者)
ABEMAは2016年の開局以来、赤字が続く。
「ABEMAを核とするサイバーのメディア事業は、22年9月期も124億円の営業損失を計上。一方で、スペイン戦後に同社の株価は高騰し、時価総額は約400億円増えた。藤田社長は昨年『メディア事業は損益改善のフェーズに入ってきた』と語っており、その言葉が現実味を帯びてきた」(経済誌記者)