2018年、メジャーリーグのロサンゼルス・エンゼルスに移籍した大谷翔平選手。メジャーでも投手・打者の二刀流を実現し、移籍初年度から活躍。2021年シーズンにはMVPを獲得、2022年シーズンにはベーブ・ルース以来104年ぶりとなる「2桁勝利、2桁本塁打」の快挙を成し遂げた。

 そんな大谷選手をルーキーイヤーから1460日間密着し、その軌跡を綴ったのがエンゼルスの番記者、ジェフ・フレッチャー氏だ。フレッチャー氏の著書『SHO−TIME 大谷翔平 メジャー120年の歴史を変えた男』(徳間書店)は日米で同時発売され、大きな反響を呼んでいる。

 フレッチャー氏は、大谷選手のプレーをどのように評価しているのだろうか。そして、移籍の可能性や2023年シーズンの活躍をどう予想するのか。話を聞いた。

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大谷翔平 ©文藝春秋

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2022年シーズンの大谷翔平は明らかにピッチングが良くなった

――大谷翔平選手の2022年シーズンの活躍について、アメリカではどのような評価を受けているのでしょうか。

ジェフ・フレッチャーさん(以下、フレッチャー) 投打ともに良い成績を残したので、とても好意的に捉えられています。

――昨シーズンに比べてどのような部分が変化したと感じますか?

フレッチャー 2022年シーズンは明らかにピッチングが良くなりましたね。ストライク、三振が増え、四死球が減った。それは、ツーシームという新しい球種が増えたからだと思います。

――バッティングについてはいかがですか。

フレッチャー ホームラン自体は減りました。しかし打率が上がって、三振が減った。それは、大谷が球場の全方向へ打つようにしていたからだと思います。そういう意味では、バッティングも昨シーズンより向上したと感じます。

 皆さんにはホームラン数が減ったことを必ず聞かれるのですが、ホームラン数が減ったのは、メジャーリーグ全体の傾向。大谷だけの話ではないので、特別視する必要はないと思います。

©文藝春秋

――2022年シーズンは惜しくもMVPを逃しました。

フレッチャー MVPを獲得したアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)は打撃で圧倒的な成績を残した。そして彼が、プレーオフに進むような強いチームにいたというのも、MVPを獲得した大きな要因だったと思います。ただ、もし私に投票権があれば、間違いなく大谷に投票していましたね。