――作品をご覧になっての感想は?
北条 『ルパン三世』の世界観に『キャッツ・アイ』の三姉妹が招待されるものだと思っていたのに、喫茶キャッツアイやハインツの絵が出てきたりと、むしろ『キャッツ・アイ』の設定がいかされていて、そこにルパンたちが入ってきてくれている感じなんですよね。だから「いいのかな?」と気恥ずかしい気持ちはありました。
絵は今回すべてを一新して作ってもらえたので、安心して楽しめました。最後になって『キャッツ・アイ』を連載していた当時のことが思い出されてきて、『キャッツ・アイ』がアニメ化されるのは30年以上ぶりという感慨もあって、ちょっとうれし涙が出ましたね。
北条司がルパンを描くと…
――「週刊文春エンタ+」の表紙に使用させていただいた描き下ろしイラストは、アニメとは反対に、北条先生の世界観で『ルパン三世VSキャッツ・アイ』のイメージカットを描いていただきました。
北条 この絵のタイトルは「少し未来」です。
――と言いますと?
北条 この絵のあと、どのようなことが起きるのかを想像してみてください。不二子が肘鉄の準備をしているでしょ?
――ほんとだ!
北条 ルパンが瞳に色目を使っていて、瞳は「まいったなぁ」と困っているんですよ。それを見て不二子は、このあとルパンに肘鉄をするんです。それでルパンはうずくまって、瞳はそれを見て笑う……というストーリーを考えながら描きました。描いていて楽しかったですね。
――描きやすかったのはどのキャラクターでしたか?
北条 意外と次元でした。横顔を描いたからかもしれませんけど、やりやすかったですね。いちばん僕の絵に近いと思います。
――ルパンはいかがでしたか?
北条 普段、僕が描く男性キャラクターは、胸板が厚くて筋肉質なタイプが多いので、細身のルパンを描くのは難しかったです。どうしても僕が描くと、小悪党っぽくなってしまうんですよね。なかなか大物感が出なくて、そこは悩みました。
でも、このイラストを公開するときは「作品の内容とは関係ありません」って解説がないと誤解を招くよね。作中にこういうシーンはないですから(笑)。
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