菊池真理子さんの漫画『「神様」のいる家で育ちました~宗教2世な私たち~』は、さまざまな宗教の下に生まれた二世から取材し、実体験を描いて評判となっている。自身も創価学会の二世である菊池さんは、カウンセラーの信田さよ子さんのカウンセリングを受けて、生きづらさから救われたという。菊地さんと信田さんの対談を『週刊文春WOMAN2023創刊4周年記念号』より、一部編集の上お届けする。
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宗教について話し始めたきっかけ
菊池 信田先生に初めてお会いしたのは、『毒親サバイバル』という著書に解説を書いていただくため、ご挨拶に伺ったときでしたね。
ウチは父がアルコール依存症で、創価学会の会員だった母は私が中二のとき自殺してしまいました。父ももう亡くなったんですが、飲んでいた責任は私にあるんじゃないかと考えていたんです。
それで何の脈絡もなく、「私ってイネイブラー(依存症を増長させる人)なんですか」とお尋ねしてしまいました。そうしたら、ひと言「あなたはそんなこと考えなくていいのよ」とおっしゃって、すごく救われたんです。
信田 よく覚えてますよ。
日本人は宗教的な行動をいっぱいしている
信田 菊池さんのように親のアルコール問題だったり、自分が虐待を受けていたり摂食障害だったりという問題が入口でも、お話をよく聞いていくと、実は背景に親の信仰問題がある場合がとても多いのです。最初はほとんど話されないんですが、何回かお会いしているうちに不意に宗教の話が出てくる人って、珍しくありませんね。