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「創価学会に教えられたから、怒っちゃいけないと思っていた」宗教二世の菊池真理子が、信田さよ子のカウンセリングで救われるまで

「創価学会に教えられたから、怒っちゃいけないと思っていた」宗教二世の菊池真理子が、信田さよ子のカウンセリングで救われるまで

2022/12/23
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信田 山上徹也容疑者が起こした事件以来、宗教二世という呼び方が広まりました。世の中に認知されたことで、救われたと考える人も多いようですね。

菊池 この言葉が社会に認知されたおかげで、「自分は宗教二世なんだ」と気付く人が増えたし、相談もしやすくなったと思います。「うちの親は変なんです」と言っていた人たちが、これからは「宗教二世です」と名乗れますから。

 

「宗教二世」という言葉の実態

信田 私はアダルトチルドレン(AC)と自認した女性のグループカウンセリングを27年続けています。その中で「これって宗教虐待ですよね」という発言をしばしば耳にしました。20年ほど前から、宗教虐待の過激さはACの女性たちをとおして具体的に語られていたので、今に始まったことではないと考えています。

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菊池 児童虐待やアダルトチルドレンもそうですけど、臨床現場では、世間で用語を使い始めるより先に実態があるんですね。

なぜ信者は女性ばかりなのに偉い人は男性なのか

菊池 お訊きしたかったことがあるんです。妻だけが信仰をもっていて、夫は宗教に反対だったり無関心という家庭が多くて、夫だけ信仰している家庭がほとんどないのはなぜですか。夫が信仰していれば、妻もたいてい信仰してるんですよ。

信田 私が聞いている範囲でも、信仰をもっている人の8割方は女性ですね。フェミニズムが救うべき女性たちを、一部のカルトが救っている現状があるんだと思います。

 

菊池 妻が夫の被支配者のような立場になったとき、宗教に救いを求めるという構造なんでしょうか。

信田 ジェンダー的に言えば、圧倒的に女性が多いのは、信仰だけが居場所だからです。無関心な夫はATMにすぎないのに離婚しないのは、経済力のなさが背景じゃないかと思います。

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