店舗側の「注文しないでください」アピール
そこで次に話を聞いたのは、YouTubeチャンネル「ばかハサ!」でリーダーを務めているノムラさん。彼は、大学時代に大手ピザチェーン店でデリバリーを担当し、4年間客先にピザを運び続ける“ピザ戦士”だったという。
「台風の日にピザのデリバリーを頼む客は非常識だと思います。最近は強い台風が来るとなれば店を開けない場合もありますが、世間的にそれほど危険視されていない台風は通常営業。でも、台風には変わりないので、運ぶ側は身の危険を感じるしキツいです。
じつは、悪天候の日はお待たせ時間を180分に設定して、店側も遠回しに『注文しないでくださいアピール』をしたりもしていますが、注文は入ります。だいたい台風の日は30件前後、雪の日でも20件前後の注文が入る。超悪天候の日にオーダーするのは、正直、やめてほしいと思っていましたね」
やはり台風は、普通の雨の日とは状況が大きく異なるという。天候が悪い日は「配達が遅れる」「商品が濡れるリスクあり」「デリバリーが事故に遭ってピザが届かない可能性がある」など、客にとってもデメリットだらけ、とノムラさん。
「台風の日に死ぬ思いでピザを配達したのに『雨でピザがビショビショになっていた』というクレームが入ったときはがっくりきました。ある時は、サイドメニューのポテトが風に飛ばされたこともあります。また、事故についても珍しくありません。とくに雪の日の翌日は、路面が凍結していてバイクが転倒しやすく、事故に遭いやすい。そうなれば、配達どころではなくなりますよね」
ノムラさんは激しい雨に打たれて配達しながら「2時間待つくらいなら、自炊したほうがいいのでは?」と感じていたそうだ。