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電子タバコ派に冷たい目を向けられる、紙タバコ派
比較的煙が少ないという理由で電子タバコに切り替える愛煙家も少なくないが、実は同じ喫煙者の間でも、従来の紙タバコ派と電子タバコ派の間には、微妙な軋轢が生まれているようだ。こちらも前出の大沢さんの体験談だ。
「時々仕事で行く都内の私鉄沿線の駅前にある喫煙ボックスでのことです。屋外の喫煙所には、囲いだけで天井のない喫煙ブースと密閉された喫煙ボックスの2種類ありますが、そこはボックス型の喫煙所。利用は一度に5人まで、会話はNGというルールが張り紙されていました。
ある日、この喫煙ボックスに入ると先客が3人いました。別に気にもせずいつものようにタバコに火をつけて吸い始めたんですが、煙を吐き出して人心地つくと、周囲の視線が何かおかしい。なんだか分からないけど、先にいた3人が全員、いかにも迷惑そうな顔をしてジロジロこちらを見てくるんです。
しばらくしてから気付いたんですが、先にいた3人とも加熱式たばこを吸っていたんですね。どうやら、私が吸った紙巻たばこの煙がボックス内に充満して、それが嫌でにらんでいたらしい。想像ですけど、十中八九これだったと思う。
『もしかして、こいつら喫煙者のくせに紙巻たばこを差別してんの? 加熱式だろうが紙巻だろうが、同じ喫煙者の仲間だと思っていたのに』という感じです。ムカついたので、わざと思いっきりたばこをふかしてボックス内に煙を充満させてやりましたよ。
喫煙者がマイノリティであることは自覚していましたが、その中でもさらに紙巻たばこ派は敬遠される側にいるんだなと、そのとき初めて自覚しました。頼むから、せめて喫煙者同士はいたわり合おうと言いたいですね」