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続々と明らかになる、織原の余罪

 特捜本部では、押収した証拠品のビデオテープなどから被害女性を特定し、イギリス人女性モニカ・ニコル・ウィルソンに対する「準強姦容疑」が固まり送検。10月27日にはカナダ人女性ケティ・ブラウンに対する「準強姦容疑」で1回目の起訴をした。11月17日にはモニカの件で2回目の起訴をした。

 だが、織原の被害にあった女性は209人。行方がわからない外国人女性も多かった。

 仮に連絡が取れても、「記憶がない、わからない」という理由で被害届を出さない女性もいた。

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 特捜本部は時間の経った被害者より、記憶が鮮明な新しい被害者を探し出して説得にあたった。しかし被害届を出すと法廷で証言しなければならず、恥ずかしい思いをすることや親に知られることを嫌がり、告発意思のない女性が大半で、被害調書を取る作業は難航を極めた。

 織原城二が逮捕された10月12日、外国人女性に対する「強制わいせつ容疑」が新聞各紙によって伝えられ、さらに各テレビ局も大きく報道した。

 翌日からは各テレビ局が午前と午後のワイドショーでもこの事件を伝え、そのわいせつ現場が織原所有の逗子のマンションであることなどを繰り返し放送した。

 それを見ていた野村清美(仮名・31歳)は、まさに自分の実体験と同じではないか、と思った。

卑劣すぎる、暴行の手口とは…

 2日後の14日、野村清美は麻布警察署にある特別捜査本部に電話し、被害状況を説明した。19日には出頭して事情聴取に応じ、さらに補充聴取として21日にも時間を割いた。

 織原と野村清美との出会いは平成12年2月26日頃、ツーショットダイヤルを通じてであった。お互いに携帯電話の番号を教え合い、何度か電話で話をした時に、織原は「ユウジ」と名乗り、年齢を36歳だと言い、「今は仕事が忙しいが、それが終わって暇になれば、どこかに連れて行ってあげる」などと誘った。