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 そして同じ年の4月19日頃、織原から電話があり、

「仕事がうまくいったから一度会ってみないか。ゴールデンウイークはどうしているの。どこか連れて行って贅沢させてあげるよ」

 などと言って清美を誘い、5月3日に会う約束をした。

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 当日の午後7時15分頃に新宿のホテル1階ロビーで待ち合わせをしたが、織原は30分ほど遅れて来た。

ジュースを飲んだ直後に意識を喪失

 織原はホテルの車寄せまで清美を呼び出し、織原が運転する車でマンションまで行き、部屋に誘った。部屋から鮨屋に出前を頼み、届いた鮨を食べながら織原に勧められるままシャンパンを飲んだ。

 数時間後の翌4日午前0時過ぎ、織原は清美に、

「これは開運のお酒だから、2人で飲めば御利益がある。女性はそのショットグラスに1杯、男性はその倍飲む。これは儀式だから一気に飲み干さなければいけない。モンゴルで手に入れた酒で、日本では売ってない貴重な酒だ」

 と、いかにも思わせぶりに言って、壺からショットグラスに注いで勧めた。清美はこの酒を一気に飲んだ。

写真はイメージです ©iStock.com

 織原は、「この酒は強い酒だから、柑橘類を取らなければ駄目だ」と言って、グレープフルーツ1個を搾り器で搾り、ジュースをグラスに入れて渡した。清美はそれを飲んだ直後、急激に眠気に襲われ、意識を喪失してしまった。

「僕は君を介抱してやったんだ」

 清美は翌日の5日午後6時頃、真っ裸の上にバスローブを掛けただけの状態で意識を回復した。激しい倦怠感とともに意識が朦朧として気分が悪く、歩くこともままならず、壁を伝わりながらトイレに行った。

 しばらくベッドで横になって休んだ後、リビングルームにいた織原に、「何で裸なの。私に何をしたの」といた。織原は、

「君が食べたものを戻して、『髪の毛が汚れた』と言って自分で服を脱いで、お風呂に入ったんだよ。ドンって音がして見に行ったら、頭を打って倒れていたんだ。だから、頭にコブがあるだろう。とにかく僕は君を介抱してやったんだ。僕も気持ちが悪かった」

 清美はこの話を信じた。わいせつな行為はされていない、と思い込んだ。

 ふらつく身体に洋服を着て、織原の運転する車で自宅まで送ってもらい、5日の午後9時過ぎに帰宅したが、この時まで4日であると勘違いをしていた。母親と電話で話をしてから初めて、この日が5日だったことを知り、2日近くも意識を失っていたことに愕然とした。

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