パーク でも、そんな生活が長く続くはずもなく……。1年間であらかた全国各地を回りつくしたから、2年目以降はイベントに呼ばれなくなるんです。自分でも「あれ、だんだん仕事が減ってきてる?」と気付き始めました。それでも、1回のギャラが高かったから、月に1~2回イベントに出れば、生活はできていた。
ただ、その1回がゼロになりそうなときがだんだん近づいてきて。「全然仕事がないのに、どうやってこの広い家の家賃を払えばいいんだろう」となって、結局家を出なければいけなくなってしまった。
でも、そのときにはほとんど仕事がなくなっていたから、収入がない。派手な生活をしていたせいで貯金もないから、新しい家を探すにしても敷金礼金が払えず、家賃6万円の部屋にも住めない状態でした。数年前の“家なき子状態”が再び到来したんです。
ヒモ生活を支えてくれた彼女が突然いなくなる
――まさに天国から地獄ですね。
パーク しかも時を同じくして、ヒモ生活のオイラを支えてくれた彼女が急に家からいなくなってしまって。6年も一緒に住んでプロポーズのオッケーまでもらっていたのに……。彼女がいなくなってからは、広い家のベッドにぼけーっと寝転んで、ひたすら韓流ドラマを観るだけの日々を送っていました。またどん底に逆戻りしたんです。
――2回目のどん底生活はどう切り抜けたのでしょう。
パーク 「このままでは本当に人生が終わってしまう。何とかしなきゃ」と思って、家の近所にある陶芸教室で、とりあえず陶芸を始めてみました。
そこで作ったのが、やたらとぶ厚い不恰好な緑色のお皿で。最初は「なんでこんなヘンテコな皿を作ってしまったんだ……」と落ち込んだんですけど、じっと見ていたら「この上になにか乗せたらおもしろいかも」と思い始めて。
「そういえば、オイラ5歳まで馬に育てられたよな。あのとき食べたニンジンの味が忘れられないな……そうだ。世界一のニンジンを作ろう!」と思い立ったんです。
撮影=末永裕樹/文藝春秋
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