実際にセックスをするプレイルームでは行為に集中するため、BGMも大声の雑談も禁止。男性客側からは女性を原則指名できず、勝手に女性の身体に触ろうとした場合は「主催者にぶっ飛ばされる」という。
会場はフロントのチェックが緩く、部屋まで素通りできるホテルに限られるため、時に複数の乱交グループや性的な動画を撮影する愛好家が同じホテルに集中することもあり、カオスな状態が生まれるようだ。
毎年恒例の“忘・新年会”以外にもAグループの羽振りはよく、様々な企画が催されている。年2回程度のペースで開催される「屋形船イベント」もその1つだ、前出の参加者男性が続ける。
「パーティーの日の夕方から都内の屋形船を貸し切って、60人ぐらいで“前夜祭”みたいなこともありました。屋形船自体は普通の業者なのでさすがに“ヌキ”まではしませんが、じゃんけんで女性を脱がせる野球拳くらいはやります。胸を出している女性に触ったり、見たりした場合はチップとして、1000円札を胸に挟むルールがあります。結局、健全に酒を飲もうなんて人はいませんから、みんな払うんですけどね(笑)。屋形船の時間が終わった後はホテルに移動し、いつものように乱交です。夏は海辺にテントを立てたり車の中で密室セックスを楽しむイベントもあります」
街中で女性を見つけたら割引になる「鬼ごっこ」も
最近の変わり種として「鬼ごっこ」という人気企画があるという。パーティーの主催者と参加女性がツイッターで現在地を投稿し、それを頼りに男性が街中を探す。女性を見つけられたらパーティーの参加費が割引になるのだ。
「主催者の1人が『鬼ごっこやります』と前日にツイッターで発信し、ドクターペッパーの缶などを目印に参加女性と街を歩きます。参加したい“鬼”の男性も缶を持って探し回り、見つけたらその夜のパーティーが割引料金になります。だいたい3時間くらい探す男性もいますよ。晴れて女性を見つけたらホテルへ移動する前に居酒屋で一杯飲みながら『この子とやりたい』なんて話で盛り上がるんです。この飲み代も結局男性が払うので、安いんだか高いんだかわかりませんけどね」
摘発が続く乱交パーティー業界だが、屋形船のイベントや「鬼ごっこ」は12月にも開催され、忘・新年会も控えているなど一向に減る様子はない。
「結局のところ、参加者も主催者も『乱交業界のことを警察は意外とわかっていない』とタカをくくっているんですよ。ただ、大手主催者でも『パーティーは危ない』と気づいて、身内の乱交好きの女性を集めてAVを撮り、アダルト系の有料SNSに投稿するビジネスに切り替えた人もいます。危ない橋をどこまで渡るかは人それぞれです」(同前)
知る人ぞ知る世界から、今年一気に世間を賑わせた乱交パーティー。来年も摘発ラッシュはまだまだ続きそうだ。