城彰二が注目する次世代のセンターFW
――センターFWの発掘についても言及していましたね。
城 見つけようといっても、そんな簡単に見つかるものじゃない。その前に、チームにどういうFWが必要なのか決めるのが大切でしょう。
ただ、タイプ的に単純に相手を蹴散らしてゴールを奪えるようなストライカーを日本で見つけるのは難しい。世界的に見ても、点が取れるストライカーはエムバぺとかごく一握りしかいないので。
――若い世代で目立つ選手はいませんか。
城 個人的には、神村学園高校の福田(師王)に期待しています。小さい頃から見ているけど、両足で蹴れるし、体が強く、高さもあり、ポストもできる。オールラウンドプレイヤーだけど、福田本人が超えたいと言っている大迫(勇也)よりもゴールに対する執着心があるんじゃないですかね。
各世代別の代表を経験しているし、ドイツのボルシアMGに加入が決まっているので、ドイツで揉まれて、さらに成長すると思います。次の代表では、こういう若手をどんどん呼んで使ってほしいですね。
森保さんは、呼んでも試合で使わないじゃないですか。それは、もうやめてほしい。練習で判断して使わないんだろうけど、試合じゃないとその選手の本当の力は分からない。意外と周囲と連携できて、いいプレーをするかもしれない。ストライカーを発掘したいのなら福田を始め、活きのいい若手選手を試してほしいです。
――森保監督の契約は、次のW杯までの4年契約です。過去、トルシエなど外国人監督にはノルマが課せられていましたが。
城 たとえばアジアカップで結果を残せなかったら、また次の監督をどうするのってことになります。そうなると、これまでの積み重ねがもったいないですよね。新しい監督になると、また1からのスタートになるので。
それに次回のW杯は、出場国が48カ国に増えます。これまではW杯アジア最終予選を突破するためにチームを作って、その後にW杯に向けてという感じでしたけど、次からはアジア枠が増えるので、予選よりもW杯でどう戦うのかという視点でチームを作っていくことができる。
次のW杯でベスト8に行くのは、カタールW杯の時以上に難しく、個人的にはさらに遠のいたと思っています。だからこそ、森保監督がカタールW杯のチームから何を上積みしていくのか、注視していきたいと思います。
(取材・文=佐藤俊)