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会社を10社経営する年収3600万のITスタートアップ社長が、楽天やソフトバンクに憧れない“決定的理由”

『日本のシン富裕層 なぜ彼らは一代で巨万の富を築けたのか』より #2

2023/01/16

アメーバ経営の必勝パターン

 今の時代においては、採用した若い人材を、早めに抜擢するほうがベストです。

「アメーバ経営」という手法があります。事業ごとに会社をなるべく分割させて、その新会社の社長として若い人材を起用するのです。するとその若い人も、小さい会社でも自分が代表者となるわけですから、やる気と責任感を持って頑張ってくれ、成果も収益も出しやすくなります。

 そして元の会社のビジネスオーナーは、複数の事業会社の株式を持ち、役員となり、そこから少しずつ給与をもらうようにします。そのほうが収入も安定するし、たくさん給与を取らなければ役割も責任も少なくて済み、ラクに稼げるようになります。そして最終的にはFIREを実現し、好きな場所で悠々自適に暮らすことも可能なのです。

 これが今の時代のビジネスエリートの必勝パターンだよ、と教えてくれたのは、IT系のスタートアップ企業のビジネスオーナーでした。彼の海外移住の手続きをするために、源泉徴収票を出してもらうと、10社から一律で30万円ずつ給与をもらっていて、年収が3600万円でした。その理由が、先ほどのアメーバ経営だったのです。自社からの分割だけではなく、ビジネスオーナーの友人同士で株式を持ち合うタイプのアメーバ経営をしている人もいます。

 一丸となって大きくなろう、というよりも、小さい会社がそれぞれで面白い仕事をして、お互いそれなりに稼げる状況にしよう、というほうが、今の時代には合っているようです。

不動産投資会社をつくったきっかけ

 彼らは「第2のソフトバンクになりたい」「第2の楽天になりたい」などと、知名度や規模を求めてギラギラしたりはしません。むしろそちらを追い求めてしまうと、ひたすらに忙しくなり、FIREはもちろんのこと自分の時間すら持てなくなる、と敬遠しています。人はなるべく少なく、身軽なほうがいい、必要なときは適宜外注をして、ギグワークをすればいい、という発想です。モノも人も、不動産も本当に価値のあると思うもの以外は抱えないのです。

 IT業界には、自社の得意分野以外は外注する文化があるため、こうしたアメーバ経営の発想が、自然発生的に広がっていったのでしょう。

 アメーバ経営も、私はぜひ実践してみようと考えています。その第一歩として、2社目の会社を興し、経営をしています。海外不動産の売買、および国内不動産や国内ビジネスの外国人向け売買を手掛ける会社「RE/MAXMigrationRealty」です。

 自宅投資が高じて不動産投資会社を起業したという人が、お客様にたくさんいたため、私も実際に不動産投資会社をつくってみたらどうなるかな、勉強になるかなと思い、挑戦したというのがきっかけです。