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《年収上限を1億円に?》成田悠輔と斎藤幸平が示した「欲望と嫉妬」の資本主義からの脱出口

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データコミュニズムは実現可能か?

斎藤 これは「データコミュニズム」というものになるのかもしれない。そのうえで成り立つ経済のあり方は、一部の強者が独占して、自分たちのルールを押し付ける経済とはまったく違うものになっているはずです。

 そこには市場もあるし、競争もあるだろうけれど、それは私たちが資本主義という言葉で連想する制度とは違うものになる。なぜなら根幹にあるアルゴリズムが共有されてひとつのコモンみたいなものになっているから。

齋藤幸平氏が問う資本主義社会の問題点とは

成田 そうだと思いますね。その問題を別の観点から言い換えると、正当性とか、あるいは社会性、公共性みたいなものをデジタルトランスフォーメーションしていくことは可能なのか、という問題になるんだと思います。アルゴリズムによって、社会やコミュニティとしての正当性みたいなものを作り出すことは可能なのか、という。

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 斎藤幸平さん、成田悠輔さんによる対談フル動画「日本はゲームのルールを変えられるか?」は「文藝春秋 電子版」に掲載されています。

《年収上限を1億円に?》成田悠輔と斎藤幸平が示した「欲望と嫉妬」の資本主義からの脱出口

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