32歳差の天才同士の激突。
20歳の藤井聡太王将に52歳の羽生善治九段が挑戦する第72期王将戦七番勝負が1月8日に静岡県掛川市で開幕した。
タイトル獲得99期。将棋史上最高の実績を積み上げてきたレジェンドと、将棋史上最高の技術を誇る俊英がタイトル戦で顔を合わせるのはこれが初になる。
羽生に白星が集まらなくなった最大の要因
2020年6月から大舞台に出ずっぱりで、タイトル戦で11期全勝という無敵の快進撃を見せる藤井は待ち構える立場だ。カギを握るのは羽生のパフォーマンスである。平成の将棋界の大看板であった羽生も18年に無冠になり、タイトル戦出場は20年が最後になっていた。21年度は棋士人生初の負け越しを喫した。50代に突入して、さすがに加齢には抗えない雰囲気が漂い始めていたが、それを打ち破るのが羽生善治だ。
王将戦の挑戦者を決める王将リーグで、羽生は渡辺明名人、永瀬拓矢王座、豊島将之九段といったトップ棋士たちをなぎ倒し、6戦全勝の成績で挑戦権を獲得した。