なので、界隈のマダムたちから大好評をいただいていたんです。そしてそんなマダムの中のひとりが「家族も一緒にみんなで来れたら」という話をされたことがあったんです。
父も自分が入れるサウナを作りたかったそうで、じゃあ男性用も、ということで、95年に、現在の場所にサウナ「アダムアンドイブ」を開業しました。両親は2人とも、いまでいうサウナーのはしり(笑)。僕も小さい頃、父に連れられ都内のさまざまなサウナへよく行きました。
父はそれぞれの施設を見て体感して、「こういうのがあったらいいな」とか「浴槽の深さはこれぐらいがいいな」とか考えていたみたいで。店を作ったときにそれを具現化したんです。
例えば、韓国式のアカスリマッサージ。当時、アカスリをやる施設はうちを含めて数軒しかなかったんです。サウナだけでなく、韓国式のアカスリマッサージもいいという評判をいただいて。スチームサウナを始めたときも、普通のスチームだとありきたりなので、通常より高温に設定して、ヨモギなどの薬草も入れたら、これも好評だったんです。両親が、自分たちで入るときにスチームサウナにもうちょっとパンチが欲しいなと思ったらしいんです。ちなみに男性の方がちょっと温度が高めなんです。
成り行きで芸能界の仕事を経験
成り行きで芸能界の仕事を経験芸能界の仕事は大学卒業後に携わることになりました。僕は、高校・大学とアメリカに留学し、卒業後に東京に戻ってきたんです。それで店の手伝いをしていたときに、ご存じの通りうちは場所柄芸能関係のお客さまも多いんですが、ある芸能プロダクションの代表の方から「ちょっとうちの会社の雑用を手伝ってよ」とお誘いを受けまして。
そうしたら、あれよあれよという間に現場マネージャーになってしまいました(笑)。芸能界のことなんてなにもわからず、タレントさんにいろいろと教えてもらいながらでしたが、3年ぐらいやらせていただいて。本当に忙しい日々でしたが、大変なりにやりがいもあったんです。