「忘年会に参加していた人たちが事件後に連日集まって話し合いをしている。何か口裏を合わせているんじゃないか…」
大阪市平野区の路上で新田浩之さん(55)を包丁で刺したとして、職業不詳の稲掛躍容疑者(55)が殺人の疑いで逮捕された事件。二人を知る男性は、事件後に見られた周囲の動きをこう訝った。
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刺したことは認めるも「殺すつもりはなかった」と殺意を否認
事件が起きたのは年の瀬の2022年12月31日午前1時20分頃、新田さん、稲掛容疑者らが参加した「地元の友人らで集まる宴」が終わり、新田さんが店から出てきた時のことだった。先に店の外にいた稲掛容疑者が新田さんに突進し、右わき腹を包丁で刺したのだ。社会部記者が解説する。
「凶器となった包丁は、近くの100円ローソンで購入したものでした。午前0時30分頃、稲掛容疑者は『タバコを買ってくる』と言って外出したそうですが、その際に購入したと見られています。
事件後、稲掛容疑者は自転車で逃走したものの、翌日元日に兵庫県姫路市で逮捕されました。新田さんを刺したこと自体は認めていますが、『殺すつもりはなかった』と殺意を否認しています」
ずっと中学生のときのままのような“ノリ”のグループ
この日、新田さんと稲掛容疑者は中学時代の友人を介して結成された“男組”というグループの集まりに参加していた。「男組」のメンバーは40年近い付き合いだが、前出の知人男性によると「少し異様な関係だった」という。
「男組のメンバーは全員が前科持ちなんです。中学時代に少年院送りになり、何度も服役した経験がある、“No.1”と呼ばれている男がグループ創設者です。彼は絶対的な存在で、10代のころからずっと崇められています。
その下に“No.2”がいて、男組のメンバーはこの二人には絶対に逆らえない。男組は集まるとよく、『誰がモテる』とか、『誰がどのくらい刑務所にいた』などといった話で盛り上がる。メンバー全員が50代後半に差し掛かっているのに、ずっと中学生のときのままのような“ノリ”なんです」