ーー入籍の日もそうでしたが、目が覚めたら式場の前って最高に幸せですよね。
杏里 めっちゃうれしかったです。
進一 でも、車に乗って最初のうちは「山に捨てないよね」とか言ってて。
杏里 ほら、トラウマがあるじゃないですか。「待って。これ、山に捨てられるとかないよね?」みたいな。
進一 なんのトラウマだよ(笑)。山に捨てられたことなんてないでしょ。
「式に向けて稼いでいかないとね」と話はしてるんですよね。入籍したのが6月8日なので、今年か来年のその日には挙げたいなって。
母・坂口良子が亡くなる直前につぶやいた言葉
ーー交際や結婚を経て、それぞれ変化したことはありますか?
進一 責任感の重さとか、感謝する気持ちが増えました。杏里がいなかったら、いまの自分ってどうなってたのかなと思うし。こんなに認知度もなかったでしょうから。杏里みたいな女性は、いてくれてはいたんだろうけど、ここまでじゃなかったですね。
杏里 いてくれてた?
進一 だから……。
ーー大丈夫ですか? 猛烈な早さで空気が悪くなりましたが。
進一 杏里が交際してきた男性も、杏里のために時間を作ってくれてたと思うし、それってお互いにいえるわけじゃないですか。そうやって時間を費やしてくれるぐらいそばにいてくれてた人はいたけど、ここまでじゃなかったよ、っていうことが言いたいの。勘違いしないで。
杏里 そうか……。
ーーこれっぽっちも納得していないようですが、杏里さんのほうはいかがですか。
杏里 やっぱり、お義父さんの存在が大きい。っていうか、家族ができたっていう。
進一 そうだね。僕の弟や妹もいるしね。
杏里 妹もできて、弟もできて、お義父さんがいて、進一がいて。もちろん、進一が一番なんですけど、お義父さんはお義父さんで、私のなかで一番なんですよ。さらに、かわいい妹と弟もいて「超幸せじゃん、自分」っていう。
ーー杏里さんとしては、ようやく家族ができた感覚が。
杏里 うちのお母さんが亡くなる直前に、泣きながらポロッと「家族っていいな」ってつぶやいたんですよ。それ、私しか聞こえてなくて。「ねぇ、聞いてた? いまの聞こえた?」って、みんなに聞いたんですけど誰も聞こえてなくて。
でも、その言葉の意味がまったくわからなかったんですね。その意味がようやくわかったんです。いま「家族っていいな」って、心の底から思えますもん。
撮影=鈴木七絵/文藝春秋
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