旧統一教会と関係が濃いのは何派?
旧統一教会問題で教団と関係の濃い議員が注目されたが、その名前をみるとある特徴にも気づくのだ。岸信介以来、教団と濃い関係があるという安倍派の議員が多いのはわかるが、実は「菅氏の子分や近い人たち」も教団との関係が目立つのである。教団の取材をずっと続けてきた鈴木エイト氏の著作『自民党の統一教会汚染』では実質「菅グループ」の国会議員は50人を超えると紹介し、菅原一秀、河井克行、山本ともひろのように菅氏と近くて統一教会と関係の深い議員にも注目している。
つまり「無派閥」を名乗る菅氏だが、自分が目をかける人間には派閥の長そのままに票につながりそうなものを差配する「派閥活動」の様子も見えてくるのだ。それが旧統一教会問題ではあぶり出された。これこそ菅氏の言う「派閥」の弊害ではないか?
「昭和の怨念政治」を思い出した
菅氏の派閥批判は正論のようで自分へのツッコミにも見えてしまう。ベテラン記者に今回のインタビューの感想を聞いたら「菅さんの不満と焦りがあらわれた内容と感じた」という。さらに「前の首相が今の首相を批判するなんて異例すぎる」とも。「三木降ろし」とか「40日抗争」とか昭和の怨念政治を思い出したという。なんのことはない、派閥政治を批判している菅氏自身が昭和の派閥政治みたいなことを今の時代にやったということか。菅さん、今は昭和ではなく令和ですよ。ご自分で発表したじゃないですか。
そもそもそんなに岸田氏が嫌いならあの総裁選のときにちゃんと岸田氏と戦えばよかった。なのに戦う前にギブアップしてしまった。しかし菅氏は今回のインタビューで次のように言っている。
《私は追い込まれたというより、コロナ対策に全力で取り組む中で、現職の総理として総裁選には出るべきではないと自分で判断しました。》
ではあの当時の記事をおさらいしよう。