『「菅離れ」一気、方策行き詰まる…解散・人事など延命策が裏目に』(読売新聞オンライン2021年9月4日)
《菅首相が3日、自民党総裁選への不出馬を表明したのは、党役員人事や衆院解散、総裁選先送りなど、自らの方策がことごとく行き詰まったためだ。》
策士、策に溺れたようにしか見えない。それなのに今はシレっとコロナ対策のために総裁選出馬をやめたと言っている。1人で歴史を改ざんしてる。
間が悪すぎるベトナム訪問
そんな今回のインタビューの味わいどころは最後の3行にある。菅氏は「外交、安全保障、日本の将来のために、改革を進めていきたいと考えています」と言っているのだ。外交、安全保障ってまるで首相気分。まさに政局宣言ではないか。しかし菅さんはまだ“持っていない”と思えることがあった。先日のベトナム訪問である。
『ベトナム訪問中の菅前首相、国家主席・首相らと会談…関係強化進める意向伝える』(読売新聞オンライン1月9日)
このときベトナムでも菅氏は記者団の質問に答えて岸田批判をおこなった。『文藝春秋』発売に合わせたかのようなタイミングであり、外交の舞台で今も健在というアピールもできて一石二鳥のように見えた。
しかし!
このあとすぐに菅氏が会談したベトナムの国家主席が辞任してしまうのである。
『ベトナム国家主席が辞任 政府幹部の汚職で引責か』(テレビ朝日1月17日)
えーーー。
《今月9日にはベトナムを訪問した菅前総理大臣と会談したばかりでした。》
なんという間の悪さ。ここから見えるのは菅氏の焦りだ。存在をアピールしたいばかりに冷静な政治勘がはたらいていなかったのか? それとも今の菅氏には大事な情報が集まってこないのか。
菅さん、仕掛けるのはまだ早かったのでは? 共感を集めたいなら、まずご自分の首相時代の説明不足を振り返ったらいかがでしょうか。