2022年7月から放送され話題となったバディアクションアニメ『リコリス・リコイル』。犯罪を未然に防ぐ秘密組織の一員として活動する主人公たちを演じた2人に、演技然としていない“生っぽい”会話劇の魅力はどこから生まれたのかを聞いた。
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「この作品は掛け合いが大事なので、と」
──『リコリス・リコイル』参加のきっかけはオーディションだったそうですね?
安済 はい。千束とたきなのオーディションだったのですが、いただいた資料に書かれていた世界観にすごく感動したんです。だから「この2人の役じゃなくてもいいから、この作品に出たい!」と思いまして、千束とたきな、両方受けました。
若山 私はたきなだけを受けさせていただこうと、テープを送って……。
安済 一本釣りだね!
若山 カツオみたいに言わないでください!(笑)
安済 ごめんごめん(笑)。その後、「掛け合い」のオーディションがあったんです。この作品は掛け合いが大事なので、と。
若山 だから技術的なことよりも、相手の話した言葉をどう返すか、ということを考えていました。
──それで合格されて、お2人で何か話し合われたことはありましたか?
安済 コロナもあったし、芝居についてはあまりなかったですね。役が決まったときに別の作品で詩音ちゃんと一緒で、「『リコリス・リコイル』よろしくお願いします」とあいさつされて、めちゃくちゃうれしかったことは覚えています。「うそ! マジで!」って。
若山 私もです。でも、もともと私はめちゃくちゃ人見知りなうえ、知佳さんは大先輩なので、最初はどうお話ししていいかもわからなかったんです。
安済 芝居については話し合わずに、テストでお互いが持ってきたものを初めて合わせることで、新鮮な反応や自然な会話感ができあがっていったんだと思います。