スマホの機種変更にともなうアプリやデータ、設定の移行は何かと面倒なもの。新規にセットアップするだけならまだしも、アプリやデータを取りこぼしなく移行させる手間を考えると「もうしばらくこのまま使い続けよう」と、機種変更を躊躇してしまう人も少なくないことでしょう。

 もっとも、こうした機種変更に伴うデータ移行は、専用ツールの進化も著しく、ユーザにかかる負担は徐々に少なくなりつつあります。今回は、iOSとAndroidそれぞれについて、最新のツールを用いて、機種変更に伴うデータ移行の手間がどのぐらいかかるのかを検証します。

機種変更にまつわるデータ移行のツールは、近年著しく進化しています。写真はGoogleのスマホ「Pixel」シリーズのデータ移行ツール

iOSは「クイックスタート」でほぼそのまま使用可能

 まずはiPhoneについて見ていきましょう。iPhone、iPadといったiOSデバイスについては、iOS 11で新たに搭載された「クイックスタート」機能を使うことで、手軽に新しいデバイスへのデータ移行が行なえます。

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 利用は至って簡単で、新しいiPhoneの電源をオンにして従来のiPhoneの近くに置くと、「クイックスタート」という画面が表示されます。ここで従来のiPhoneの画面に表示されるパターンをカメラで読み取ると、データをiCloudからダウンロードするか、それともiPhoneから直接転送するかが表示されますので、どちらかを選んで実行するだけです。

新しいiPhone(左)のセットアップを開始すると「クイックスタート」という画面が表示されます
指示に従って、従来のiPhoneに表示されるパターンをカメラで読み取ります。ちなみにこの間Bluetoothはオンにしておく必要があります
あとはiCloudからダウンロードするか、従来のiPhoneから直接転送するかを選ぶだけです。急ぎの場合は使いながらデータをダウンロードしてくれるiCloudのほうがスピーディです

 このクイックスタートでは、インストール済みのアプリはもちろん、アプリ固有データの多くもほぼそのまま移行できます。またAppleウォレットに登録されているカード情報も、指示に従ってセキュリティコードなどを入力すればそのまま使えるなど、再設定の手間はこれ以上ないほど抑えられています。