のん そうなんです。16年くらい会社員として働いていました。ウサギをきっかけに野草を覚えてからは、昼休みに野草を観察したりしていました。
内勤だったので、昼休みが唯一時間がとれるタイミングだったんです。帰宅したら家事がありますし。だから昼休みに河原へ行き、1日10cmくらいずつ観察していきました。セーブポイントのように、石ころを目印に置いていくんです。“野草のロールプレイングゲーム”みたいで楽しいですよ。
すっかりハマって会社が休みの土日も観察するようになり2年経ったときくらいでしょうか。「あ、私“365日野草生活”してたわ」と。それが今のキャッチコピーになりました。
――制服姿で野草を見つめる女性。想像するとちょっとシュールです。
のん 初めて取材してもらったアウトドア雑誌では、午後休をもらって会社から多摩川に直行しました。でも、そもそもアウトドア用の服を持っていなかったので、トレンチコートとハイヒール姿でしたね。そんな格好で、ハマダイコンを抜いて野外で野草料理をしている女……確かにシュールですよね(笑)。
「キャベツ離婚」の危機
――野草観察を進めていくうちに、野草料理も日常的に?
のん 家で野草の食べ方をいろいろと研究するので、野草生活を始めたばかりのころは、毎日のように食卓に野草料理を並べていました。当時はおいしい食べ方を知らなかったので、食べられる野草をお浸しにして食べていました。ハコベのお浸し、カキドオシのお浸し、ハマダイコンのお浸し、ギシギシのお浸し……というように。
3ヵ月くらい野草料理を食べる生活が続くと、夫が「キャベツを食べたい!」と言い出しました。「このまま野草を食べさせられていると、離婚するかもしれない」とまで言われましたね。「なるほど、キャベツは忘れていたなぁ」と。すぐにキャベツを食卓に出して、離婚を免れることができました。
――なるほど。これがのんさんのメディア出演情報を検索するとでてくるキラーワード「キャベツ離婚」だったわけですね!
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。