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“キャベツが原因”で夫と離婚しかけたことも…普通のOLが「365日野草を愛でる生活」にハマってしまったワケ

多摩川野草会代表・のんさんインタビュー #1

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のん 災害時は物流が止まってしまい、人命が優先される結果、ペットの餌は手に入りづらくなると聞いていました。非常事態を想像したら「野の植物を覚えなくては!」と思いました。だから、野草にハマったきっかけは一緒に暮らすウサギのリスク管理のためですね。

 野草本の著者や、野草ブログを書いている方にメールを送ると、みなさんすごく親切に応じてくださいました。メールにはなんて書いたかな。ウサギが食べる植物を知りたいという目的や、あとは自分が何者かということを明らかにして送った記憶があります。

 その後、メールを送った方々と直接会えることになって、いろいろとご指導いただきました。本当にありがたかったです。連絡した皆さんは20~30歳くらい年上の方々で、当時の私は30歳ぐらい。「若い方が野草に興味を持ってくれて嬉しかった」と、言っていただけました。

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「シワシワになってくる動物が愛しい」

――すごいウサギ愛です。生き物は昔から飼っていた?

のん ずっと好きでしたね。小学生の頃から、ハムスターとか魚とか鳥を飼っていました。それもただ飼うのではなく、「長生きさせる」のが好きなんです。なんかこう、シワシワになってくる動物が愛しい。

 寿命が2年くらいしかないハムスターも5年くらい頑張って育てました。するとハゲて地肌が露出してきたり、目が見えなくなったり、白髪が生えてきたりします。歯を失って動けなくなったときは、ひまわりの種をすりつぶしてあげていました。

 だから日々の観察がとても大切です。両親から「生き物を飼うことは責任感があるし、一生大事にしていかなきゃいけない」と教えられて育ってきたので。

――親御さんも生き物好き?

のん そうですね。両親は転勤族だったのであちこちを転々としましたが、引っ越しの時にもペットを連れていきました。いまも実家には、変わらず生き物がいます。

 特に自然好きを意識したことはないのですが、それでも子供の頃の日記を見ると、「オオスズメバチにつく冬虫夏草」の観察記録があったり。夏休みの自由研究ではチョウの羽を集めて、鱗粉を取ったらどうなるのか?という実験をしてみたり。マニアックなところは、あるかもしれません(笑)。

――野草を始めたころは、会社勤めをしていたそうですね。