「365日野草生活」なるキャッチコピーを掲げている、野草愛好家・のんさんインタビュー。最終回では、彼女が野草生活を機に「手に入れたもの」について聞いた。

 20代で白髪や脱毛に悩んでいた彼女が、健康を取り戻せた理由とは?(全3回の3回目/#1#2を読む)

キクイモの花をマリネにして、トマトとあえた一品が完成 ©筆者撮影

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食材としての「野草」の魅力

――食材としての「野草の魅力」はどんなものでしょうか?

のん 種類にもよりますが、味の濃さや風味も魅力ですね。野草を食べ始めてからは、野菜をあまり買わなくなりました。キャベツ離婚(#1)のように、野草にはない味わいの食材もありますので、好みは人それぞれですね。

ウシハコベやツユクサなどを茹でて味見してメニューを決める ©筆者撮影
本日のメニューが確定 ©筆者撮影

――今回採取した野草の中では、ツルッとした食感のツユクサ、安心感のあるヨモギ、春菊に似たセンダングサなど、個性豊かな味の違いが素晴らしかったです。しかし、いざ野草を食べるとなると、毒草に警戒することも必要そうです。

観察会にはのんさんの育てたシロザも持ち込まれた。ツブツブした部分を指の腹でこそいで、炒めて食べる ©筆者撮影

のん 実は毒草以外にも、注意すべきことがあります。写真のシロザという野草ですが、たくさん食べると皮膚炎を起こす可能性があるんです。私もシロザは畑で育てるくらい大好きなんですが、皮膚炎の情報を確かめたくて「毎日100グラム食べる」という実験をしたことがあります。

 7日間続けたところ、特に体調に異変はありませんでした。ところが、1日にだいたい150グラム以上食べた後に日光に当たると、湿疹や水ぶくれが出来てしまったんです。

――すごい体当たり実験です。それは好奇心から?

のん 体験していないことは、人に話せないからです。人を案内したり、野草の魅力を伝えたりする仕事ですので、自分が体験していないことをさも体験したかのように言うと、嘘くさくなってしまうと思って。そうならないよう、料理でも何でもまず自分でやってみるようにしています。

 もちろんあくまで食用可能なものの範疇ですけど。さすがにトリカブトやスイセンなど、明らかに毒のあるものを食べることはありません。「どれくらい食べたら食中毒を起こすんだろう?」と気にはなりますけどね。

――野草に限らずですが、みんなで食べるイベントはアレルギーの心配もありそうです。