「365日野草生活」をキャッチコピーに掲げる、野草愛好家・のんさんインタビュー。2回目となる今回は、彼女が多摩川駅周辺で開催する野草観察会に参加。

 そこでわかったのは想像以上にハードな「野草愛好家の仕事」と、彼女の仕事にかける「熱い情熱」だった。(全3回の2回目/#1#3を読む)

野草愛好家の彼女の「仕事にかける思い」とはいったい? ©筆者撮影

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野草観察会に参加してみた

 依頼主であるグループとともに河川敷へ向かう徒歩10分ほどの道で、早くも皆が次々と足元の野草を観察し始める。数メートル歩いては草を見つけてしゃがみ、ルーペを使って覗き込み、解説を聞く。 

ルーペは野草観察の必需品 ©筆者撮影

 すると、これまで雑草としか思っていなかった足元の草花が、のんさんの説明によって個性豊かな生き物に見えてくる。

 しかし、目的地の河川敷にはなかなかたどり着かない。その進行速度は、まるでよちよち歩きの幼児を連れた親御さん。さらに草花を見るための中腰姿勢と眩しい日差しも加わり、ちょっとカラダもしんどくなってきた……。

快晴の屋外でもひたすら下を観察する、静かな作業。ところがコレ、意外とハードなのだ ©筆者撮影

――初めて参加した野草観察会。かなり体力が必要だと感じました。

のん 実際に体験していただいてわかるように、野草観察会の活動は見た目よりハードです。さらに主催者として「参加者に伝える」ことを意識するので、オーバーアクションでお話ししています。

 声や表情はもちろん、動きも大きく。観察会って、外に出てそこに生えている草を見るだけのように思われるかもしれませんが、実はそれなりに準備も必要です。間違いがないよう、事前に現地の下見や台本作成もしています。

 会社勤めをしながら活動していたときは、毎日帰宅してから図鑑を読む日々でした。疲れすぎて、玄関で失神するかのように寝ていたこともありました。夫が帰ってくると、顔面に図鑑をかぶった私が倒れているという。

――「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています」じゃなくて、妻がガチで倒れていると。