のん 有料の観察会やイベントのほかだと、メディアに植物写真の提供をしたり、TVで使う野草クイズの作成などをしたりしています。行政の講演会に出たこともあります。植物に関することだけでなく、「好きなことを見つけて自分で人生を切り開いている人生の先輩にあってお話を聞く」みたいな内容の依頼もありました。
高校生から「楽しそう」という感想をいただきましたが、その裏にはそれなりの責任や義務もありますので、そのあたりも感じ取ってもらえたらさらに嬉しいですね。
野草を知れば、世界が変わる
――のんさんにとって、野草の魅力とは?
のん 野草の楽しさは、季節によって変化する姿ですね。そして私が一番の魅力に感じているのは、おそらく一生かかっても「覚えきれない」というところかな。知らないことがあるのって、ワクワクしますよね。いつでも新しい発見がある。それを身近なところに、玄関を一歩出た瞬間から見つけられるのは本当に楽しいですよ。
観察会の参加者もさまざまです。犬の散歩ついでに植物を見たい人や、狩猟採集が好きな人。私がウサギのエサのために野草活動を始めたのと同様に、非常時の備えのためにという人もいます。
「六本木観察会」も面白かったですね。過去に「通勤経路で見られる植物を教えてほしい」という依頼があったんです。駅から会社まで徒歩8分なのに、植物をひとつひとつ見ていたら2時間かかった(笑)。
その時は結局52種くらい見つけたかな。植物の名前を知るだけで、見慣れた通勤経路の見え方が変わるんじゃないでしょうか。
野草を観察していると、いろいろな生き物との出会いもあります。昆虫はもちろん、水草や魚、水生昆虫、あとは爬虫類も。自然はさまざまなものが繋がり合うことで出来ているということが実感できます。
野草を観察するようになってからは、植物だけじゃなく、そのまわりの世界も見えるようになりました。間違いなく、私の中の世界が彩り豊かになりましたね。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。