「週刊朝日」が休刊というニュース。週刊誌はこのまま減っていくのだろうか? 私は週刊誌の俗物的な視線から次第に“もっと大きなもの”が見えてしまう展開を、いつも重宝している。

 最近だとこれ。

『中条きよし議員が年金未納700万円に「払わない」』(週刊文春 2023年1月26日号)

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不信感が拭えない維新の対応

中条きよし氏 ©時事通信社

 文春の報道のあとに新聞各紙も記事にした。すると中条氏本人もアレだけど所属する日本維新の会の対応も「?」なことがわかるのだ。維新の藤田文武幹事長は「未納期間の調査には数カ月かかる」と説明したのである(東京新聞1月25日)。

 年金の記録を調べるのに数カ月かかる? なんでそんなに? この記事では大阪政治に詳しいジャーナリストの吉富有治氏が維新の対応について、

《「調査に数カ月かかるというのは、4月の統一選後に先送りしていると受け取られかねない。既成政党に染まったようだ」とあきれ、「このままでは維新が年金制度や高齢者問題について語っても、何の説得力もない」とも語った。》

 いかがだろうか。中条氏には「議員会館から新曲宣伝会見」という報道もあり、これら自覚の無さは議員として致命傷になるだろうが、そんなことよりも調査を「4月の統一選後に先送りしている」と言われてしまう党の振る舞いが浮かび上がってきた。たかだか中条きよしの記事から“もっと大きなもの”が見えてしまったのである。これぞ週刊誌の雑多なパワーではないか。

岸田首相の長男「観光」報道に、政府は…

 まだある。1月26日発売の「週刊新潮」は岸田文雄首相の長男・翔太郎首相秘書官が首相外遊中にロンドンやパリを公用車で観光していたと報じた。いかにも情報の猟犬らしい週刊誌の一撃だ。注目したいのは報道を受けての政府の振る舞いであった。