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 他方、岸田総理の判断は、財源の裏打ちがないなかで防衛費増額を発表しては、国民にかえって不安を与えてしまうというものでした。先に財源確保策を示すべきであり、そのうちの一つである増税も年内に国民に知らしめる必要があるのではないかと。私も岸田総理も出口は同じものを描いていたのですが、そこに至るまでのアプローチに違いがあり、なかなか最後まで意見の一致は見られませんでした〉(萩生田氏)

決して無尽蔵な国債発行を進めるものではない

 国債発行については座談会参加者から慎重な意見が相次ぐなか、萩生田氏は次のように語った。

〈昨年12月に私が、「日本を守るために、借金をしてでもやるべきことはやる」と申し上げた経緯もあり、「萩生田は国債発行を押し進めようとしている」と誤解されている方も多いかもしれません。改めて申し上げると、あの発言は「どんな手段を講じてでも、防衛力強化を成し遂げる」と、決意の固さを表明したものでした。財源確保の選択肢の一つに入ってはいますが、決して無尽蔵な国債発行を進めるものではないことを、ご理解いただきたいと思います〉

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萩生田光一氏 ©文藝春秋

 他にも話題は、GDP比2%への増額の是非、アメリカから購入する長距離ミサイル・トマホークの性能など多岐にわたり、座談会は約2時間にわたって続いた。

 萩生田氏、中西氏、山下氏、小黒氏による座談会「防衛費大論争」全文は、「文藝春秋」2023年3月号(2月10日発売)と「文藝春秋 電子版」に掲載されている。

文藝春秋

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防衛費大論争