背負っているものの重さと辛さを打ち明ける友人の横顔に「少しでもその荷を軽くする手助けができたらいいな」と思われたそうです。
秋篠宮家の次女・佳子さまは高校の卒業写真について詠まれました。
「卒業式に 友と撮りたる 記念写真 裏に書かれし 想ひは今に」
友人2人と撮られた記念写真。その裏に書かれた友人の思いが、今でも3人の中で続いていると感じられたといいます。
学業を優先し今回も出席を控えた、両陛下の長女・愛子さまが寄せられた歌です。
「もみぢ葉の 散り敷く道を 歩みきて 浮かぶ横顔 友との家路」
この歌について、長年「歌会始」の選者を務める、歌人の永田和宏さんに解説してもらいました。
永田和宏さん:
若々しい学生としての歌が、自然に出てきた歌になっていて、とても良かったと思いますね。今、こうして一人で道を歩いていると、友達と一緒に学校から帰る帰り道のことを思い出す。その友達の横顔が思い浮かぶという。それだけしか言ってないんですけど、でも、その中には、やっぱりこういうコロナ禍という社会情勢が否応なく、その裏に反映されているという歌になっていて。ご本人は恐らくそういうことも意識しておられないと思いますが、それが出てくるというのは、歌の力でもあると思いますね。
陛下と友に感謝された 皇后さまの歌
皇后さまの歌です。
「皇室に 君と歩みし 半生を 見守りくれし 親しき友ら」
去年12月9日に59歳の誕生日を迎えられた皇后さま。平成5(1993)年6月に結婚して皇室に入ってから30年近くが過ぎ、人生の約半分になることを感慨深く思い、これまで見守ってくれた友人たちへの感謝の気持ちを詠まれたということです。
永田和宏さん:
ちょうど人生の半分を皇室と共に歩まれてきた記念すべき年にそのことをお歌にされて、その半分の時間は君と一緒の歩みだったということがあって、天皇陛下への思いが非常に強く感じられる。一方で、親しい友達が遠くから見守ってくれているその視線があったからこそ自分はこの半生を歩んできたんだという。そこへの感謝の思い。この2つが、この1首の中に重なっていて、ああ、素晴らしい歌になったと私は思っていますね。