性同一性障害を装い「女性には興味がない」と油断させて接近。エステ業で培った技術の披露を名目に警戒心を解いた女性の体を触る。だが、その手つきや目的は間違いなく男性によるわいせつ行為だったという――。

 世の中のLGBTに対する意識の高まりにつけこむような卑劣な性犯罪が大阪府警によって摘発された。事件の発端は2021年5月中旬頃。大阪府高石市の一般社団法人「あかり」の代表理事・渡辺和美被告(55)は、当時51歳の部下だったA子さんに「エステを習っていた。マッサージをしてあげる」と語りかけた。

無防備な被害女性のパンツの中に…

 申し出をありがたく受け取ったA子さんは、言われるがままに床の上でうつ伏せになる。渡辺被告は無防備なA子さんのスカートやパンツの中に指を入れ、陰部を押すなどしたという。マッサージの名を借りたおぞましい犯行により、準強制わいせつ罪で起訴されたのは2月7日のこと。

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渡辺被告の自宅

「渡辺被告は、化粧をしたりカツラをかぶったりのいわゆる“女装”をしばしばしており、周囲には性同一性障害だとアピールもしていた。被害者からの相談を受け、捜査を開始した捜査員に対しても『女性には興味ない』と訴えました。しかし、女性側の証言や彼の日常生活の言動などから渡辺被告は男として被害者を弄んでいたと立証できると捜査当局は判断。鑑定留置の末、責任能力もあるとして、起訴。渡辺被告は、別の部下だった30代女性に対する準強制性交等の疑いでも逮捕されていますが、こちらは処分保留で捜査が続いている状況です」(大手紙社会部記者)