2月23日は天皇誕生日である。もちろん多くの人にとっては仕事や学校が休みになる祝日で、特に今年は建国記念の日が土曜にあたり振替休日もなかったのでより“待望度”の高い日になった。
一方で、当然だがその日は天皇陛下ご自身にとってはお誕生日である。一般的にはプレゼントをもらったり、ケーキに立ったろうそくの火を一息で消したり、時にはパーティーで「ハッピーバースデー」の歌を歌ったりもする誕生日だが、皇室の方々はご自身の誕生日をどう過ごされるのだろうか。
「天皇陛下のお誕生日にも、いわゆるお誕生日パーティーのような会が催されていますよ。日頃、様々な専門分野で親しく交流されている方々を招いて、感謝の意を示すお茶会が当日の夕方頃から皇居内の御所で行われます。“茶会”という名前ですが、アルコールやおつまみも出され、参加者は70~80人ほど。ただ、この茶会ではいわゆるバースデーケーキはありませんし、もちろん『ハッピーバースデー』も歌いません」
こう語るのは皇室ライターのつげのり子氏である。多くの皇室番組の制作に携わり、現在も皇室関係の取材を続けている。その中には、天皇陛下のお誕生会に長年参加している方もいたという。
ケーキもなければハッピーバースデーも歌わない“お誕生会”には、どんな方が参加し、何が行われているのだろうか。天皇陛下のお誕生日の様子と、非公開の“お誕生会”の様子をつげ氏に語ってもらった。
「1000人以上にお会いになるハードスケジュールです」
「陛下のお誕生日は、朝早く、天長祭と呼ばれる儀式を行うことから始まります。陛下の長寿と国民の平安を祈願する儀式です。その後も分刻みのスケジュールが続き、一般参賀へお出ましになり、政府関係者などが参加する“祝賀の儀”や“宴会の儀”にご出席。午後には、外国使節団との祝賀会である“茶会の儀”も催されます」
今年の天皇誕生日では、5年ぶりに一般参賀が行われることが発表されている。天皇陛下にとって即位後初のお誕生日での一般参賀ということもあり、参賀への申し込み倍率は12.6倍にも上った。朝10時10分を皮切りに計3回お出ましになるが、それ以外にも多くの行事が詰まっているというのだ。
ここ数年は一部行事が縮小・中止になることもあったが、新型コロナウイルスの流行前は一般参賀を除いても一日で1000人以上にお会いになるハードスケジュールだったという。
“お誕生会”に相当する茶会は、例年は夕方頃にスタートし、「平服(背広同相当)」と招待状に指定されたドレスコードに準じたスーツや着物姿の招待客が御所に集まるという。