うどんにゴマひと瓶入れてしまう
セルフ方式のうどんチェーンで働く佐藤由季さん(仮名34歳)は、厨房の奥からでも客席に目を光らせているという。
「揚げ玉を山盛りに入れたり、ゴマをひと瓶いれてしまったり……。お客さんにとって好みがあるとはいえ、せっかく作った料理を台無しにされている気分になりますね。たっぷり用意してあった薬味をぜんぶ使い尽して、『無くなったので補給してください』と平気で言ってくるお客さんもいます」
「そういうお客さんのことを、ウチのバイトの間では『スライマー』って呼んでました」というのは、ラーメン店でアルバイトをしていた野田あゆ美さん(仮名28歳)だ。
「『ゴーストバスターズ』という映画に、緑色した何でも食べ尽くす『スライマー』というキャラクターが出てくるんですけど、それと同じレベルという意味です。
ウチは、味変用に薬味や魚粉、玉ねぎなど無料のトッピングがたくさん用意してあるんです。それを片っ端から瓶ごと一杯のラーメンの中に入れる奴がいるんですよ。ニンニクとか、あんなに入れたら胃が痛くなると思うんですけど、大丈夫なんですかね」
「罰ゲーム」でムセて米粒を吹き飛ばすグループ
回転寿司チェーンでパートをしている岡部卓也さん(仮名42歳)も、こうした“大量摂取”をするお客さんをよく見かけるとのこと。
「お茶のパックを湯呑からあふれるほど入れるとか、ガリを全部食べてしまうとか……。
あと、たまにあるのが、ワサビを大量に取って、お寿司に乗せて、『罰ゲーム』といいながら我慢比べをしてるグループですね。一気に食べてムセてしまって、テーブルやレーンに盛大に米粒を吐き飛ばしたお客さんもいました。さすがにお店側に謝罪してきましたけど、こちらが入念に清掃・消毒しなくちゃいけないので、本当に迷惑でしたね」
食べ放題の焼き肉チェーンで働く穐田勝利さん(仮名33歳)は、「食べ残し」に関するトラブルによく遭遇するという。
「過度な食べ残しは追加料金をいただくルールになってるんだけど、それを意識して、取りすぎた食材をひたすら網で焼いて焦がしたり、網の下の水が溜まっている部分にわざと落としたりするんだよ。ヒドいお客さんだと、その辺の椅子の隙間に詰め込んで隠したり……。そのまま残してもらったほうがよっぽどマシだね」