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杏さんが考察した「愛されなかった娘」としてのナウシカ

「言葉の共鳴」の一例を挙げると、杏さんは本書の中で「愛されなかった娘、巨神兵の母」としてのナウシカについて深く考察している。物語の終盤近く、ナウシカは「母は決して癒やされない苦しみがあることを教えてくれましたが わたしを愛さなかった」と淡々と話す。その一方で、甦った巨神兵がナウシカを「ママ」と呼んで慕う思いを受け入れ、巨神兵を「オーマ」と名づけて、共にシュワの墓所へと向かう。

太田啓之氏による「《そなたが光なら光など要らぬ》なぜナウシカは『生ける人工知能』を否定したのか」の全文は、「文藝春秋 電子版」に掲載されています。