FP3級でどのような問題が出るか、3問ほど紹介します(問題は日本FP協会のWebサイトから引用)。正誤問題ですので、みなさんもすこし考えてみてください……ただ「答えが合ってたか」より、「問題文が目に入ってくるか」のほうを気にしてもらえればと思います。
〈日経平均株価は、東京証券取引所プライム市場に上場する代表的な225銘柄を対象として算出される株価指標である。マルかバツか〉
〈所得税において、老齢基礎年金や老齢厚生年金を受け取ったことによる所得は、非課税所得となる。マルかバツか〉
〈つみたてNISA(非課税累積投資契約に係る少額投資非課税制度)において、上場株式は投資対象商品とされていない。マルかバツか〉
どうでしょうか? 正解は順番にマル、バツ、マルになりますが、もしかしたら「目が滑るんだが……」と萎えた方もけっこういるのではないでしょうか。
FP3級の勉強をすると、問題文で出てくる単語――たとえば日経平均株価、所得税、つみたてNISA――に対して、「謎の呪文」ではなく、「なんか見たことあるな」と平静心で考えられる状況になります。つまり、日常生活やニュースでこれらの単語が出てきても、イヤ~な気持ちにならなくなるということです。
不安の正体は知識不足
FP3級の出題範囲は、大きく以下の6分野です。
- ライフプランニングと資金計画:FPの基本的な仕事姿勢、社会保険の仕組み
- リスク管理:リスクマネジメント、保険制度
- 金融資産運用:金融、経済の仕組み、株式、投資信託
- タックスプランニング:所得税、住民税、事業税
- 不動産:不動産の取引、不動産の税金
- 相続・事業承継:相続の基本、相続税、贈与税
試験はこの6分野からまんべんなく出題されます。合格のために勉強していく過程で、基本的なお金に関するキーワードと、全体図が頭の中に入っていきます。
その流れの中で私は何度も「あの時苦労してたアレ、こういうことだったんか……」と幽霊の正体見たり枯れ尾花的体験をしました。
そして、こうして一度知識をインプットできれば、たとえ詳細を忘れたとしても(もしくは新NISAのように新たな制度ができたとしても)、もう一度調べ直せば思い出せるだろうという自信をもつことができます。インフルエンサーの語るライフハックが、非常にシンプルなお金の常識だということもわかるようになりました。
そういった「なるほど」の繰り返しが、30年間抱き続けてきた漠然とした不安を吹き飛ばしていきました。不安の正体、単純な知識不足でした……。