裸で車を降ろされたのは、阪神高速の路肩や畑のど真ん中
「渡辺は下着姿の私たちを笑顔にさせて無理矢理写真を撮るんです。これは事態がばれたときに『同意があった』と主張するためのものなんだと思います。実際にすでに辞めていたC子さんの裸や下着姿の写真を渡辺は事務所に貼り出したり、ラインで共有したりしていました。写真を撮られた以上、もう何をされても我慢するしかないと思い込んで、夫にも相談できるわけないし、従うしかありませんでした。本当にひどいことをさせられて……」
口をつぐむA子さんに代わりBさんが話す。
「研修の名目で、妻と渡辺が車で神戸に出かけた、2021年の8月頃です。行きの車中でA子は服を脱がされました。そして裸のまま高速道路の路肩で降ろされます。渡辺は車を少し先まで走らせて停め、A子に『ここまで走ってこい』とそそのかしたんです。妻は一糸まとわぬ姿で車の行き交う阪神高速を走らざるをえませんでした」
「車に戻らないと、帰れないし服を着られないから必死でした。マインドコントロールみたいな感じだったからなのか、よく覚えていないこともあるのですが、当時はとにかく必死でした」(A子さん)
「その様子を渡辺はゲラゲラ笑いながら、撮影していたそうです。裸のままで畑のど真ん中で降ろされたこともあったと聞いています」(Bさん)
開き直った上に、慰謝料を求めると攻撃的になり嫌がらせ
問いつめられて白状する妻の告白に夫は青ざめた。Bさんは怒りと困惑で震えながら、渡辺被告に電話した。「そんなことはあり得ない」と言う対応を期待さえしていた。
「渡辺は全部認めましたよ。すまなそうにするどころか、開き直っていました。『私と奥さんは愛し合っていた』『お互い大人だから穏便にしよう』と責任逃れを続けた挙句、『A子の子供の父親はどっちかわからない』と吐き捨てたんです」(Bさん)
A子さんの障害につけこみ、雇用主という立場を利用し鬼畜の所業に及んだ渡辺被告はBさんからの電話にたじろいだ様子もなかったという。
「マインドコントロール状態の妻は正常な判断ができる状態じゃなかったんです。なので、妻と別れるつもりはありませんでした。だから渡辺に『慰謝料を払え』と伝えると、あいつは別人のように攻撃的になりました。妻が事故を起こして傷をつけた社用車の修理代を払えと逆ギレしてきたかと思えば、SMの道具や生ゴミを嫌がらせのように我が家の前に置くようになったりと、半年近くトラブルになっていました」(Bさん)
夫婦は渡辺被告とのトラブルが続く中で警察にも相談したが、被告はA子さんとは別の事件で逮捕される。従業員の女性に対する口にするのも憚られる性加害は「性同一性障害」「女性に興味はない」などという主張で免れられる罪だろうか。
「願いが叶うなら、殺してやりたいです」(Bさん)
夫妻は、渡辺被告が営んでいた障害者の相談事業を行う「あおい相談室」の実態について話を進める。スタッフだけでなく利用者に至るまで、女性と見れば手当たり次第に手を出そうとする渡辺被告の異常な言動の数々が浮かび上がっていく。(次回へ続く)
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