2月17日、投資会社「エクシア合同会社」の代表ら幹部が、違法な勧誘で出資を募ったとして259人の出資者が32億円あまりの損害賠償などを求め、東京地裁に提訴したと報じられた。
訴状によると「エクシア合同会社」は投資事業で「最大月間返戻率37.96%」など高い利益をうたって社員権を購入する名目で出資を募っていたが、実際には投資そのものの実態が疑われるのだという。
「エクシア合同会社」について、文春オンラインではその実態についてたびたび報じてきた。今回改めて、当時の記事を再公開する(初出 2023年2月2日 年齢、肩書等は当時のまま)。
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文春オンラインが『《500億超の巨額詐欺?》社長は一晩で数千万使い、社員の給料は月額2億! 絶好調に見えた投資会社「エクシア」に裁判所が“踏み込んだ”理由「会社は対応を拒否」』という記事を掲載したのが昨年10月27日だった。通常ではあり得ぬような投資効率をうたって莫大な資金を集め急成長してきた投資会社「エクシア」の実態がきわめて胡乱であり、資金繰りに苦慮していることを指摘したその記事は、経営メンバーの放埓な生活ぶりもあって大いに注目を集めたようだ。
それからおよそひと月後、投資会社エクシアは、「経営体制の変更」を謳い、本社の移転を発表する。引っ越し先は、「墨田区江東橋2丁目」。JR錦糸町駅にほど近い場所だった。かつて港区六本木にそびえ立つ「六本木グランドタワー」15階の1052坪を専有し、毎月5千万円の家賃を支払っていた企業の移転先としてはいささか手狭な場所だった。
きっかけは、ある情報提供者のTへの接触
文春オンラインでの報道は、金融庁でもコピーされ然るべき部署で回覧されていたという。それは金融庁に被害者代理人の弁護士が頻繁に訪れるようになったからだ。エクシアに対する訴訟は全国で起こされ、総数は50件にも迫ろうとしている。中には地元警察が事件を受理したとの情報も流れている。
本社の移転先のあまりの落差にエクシア破綻の噂が駆け巡った昨年12月半ば、やはりエクシアに対し訴訟を起こしている東京・港区のある弁護士を訪ねて来た男がいる。エクシアのNo.2関戸直生人だ。記事の中で“月収”は2億円だと語っていた最高幹部の1人である。
今まで沈黙を守っていた男が、よりにもよってなぜ敵対する弁護士を訪ねて来たのか。この弁護士を仮にTとしておく。きっかけは、ある情報提供者のTへの接触だった。
息子の通う保育園の情報までが筒抜けに
「関戸と連絡がつくかもしれません」
こう書かれたメールには、関戸のひとり息子の通う保育園の父兄たちの間だけで使われているというメールアドレスが記載されていた。